ぼーっと「牧場ガンナー」振り返ってあれこれ【雑記】

ツクトリ自主コン2023の投票に向けて残り数日、なんとか全作品を一通りプレイ出来た安堵か(いや、まだ未クリア作品もあるので続き遊びたいのですけど)なんだかドッと疲れちゃったので休憩。(溜めてる仕事も片づけなさいよ)

えー。

他作者様の作品をプレイして・他プレイヤーさんによる他作品の感想を読んで、改めて、自作に見えてくるものってありますね。そこを頭半分でぼーっと綴っていくのが今日の記事です。コンテンツ作成じゃない素の日記は久しぶりです。

……と長い前振りしましたがザクッといってみよー!

この記事は、ゲーム「牧場ガンナー」のネタバレを含んでいます。

そもそも「なんやこれ」ではある

牧場×ミリタリー。

自分でも繰り返し何度か言ってますが「誰だこの2つくっつけようとか思っちゃった奴は」。くっつけちゃったんですもん。くっついちゃったんですもん。

元々、30分で終わるネタゲー案から始まっていますので。ギャグ半分のつもりではあったんです。「牧場を要塞にしたら面白いなぁ」って。
あとの半分はミリタリーの思考実験ですね。要塞内に自給自足可能な設備(農園と牧場)があったら、どんな戦いになるんだろう、みたいな。

私自身が兼業農家の出身で、稲刈り直前に来る台風を「銃弾」に例える気持ちもありました。どんなに一所懸命に育てても無慈悲に奪ってく災害。それが人の手によるものだったら? それが何度も繰り返されたら?
それでも人は種を撒く。なぜなら、植えて育てなければ米を食えないからです。お野菜も畜産物も同じ。銃弾が来ようが来まいが、食えないと人は生きられないから植えるしかない。

なので、このゲームの構図は「生活(牧場)VS 人災(戦争)」です。

(……まぁ、生産係と防衛係を同じ人物の仕事にしたのが「なんでやねん!」なんですが。ゲームだから!)

「自分の手で育てて、育ったころに襲われて……」を疑似体験・表現するために牧場システムがあって、「やられっぱなしじゃなく、工夫して守っていく。守れば残る」の手段としてデフォルトの戦闘システムを使いました。

市場ニーズ的には、「牧場運営シミュレーション」を好む層と「戦術戦略シミュレーション」を好む層はそれぞれ別で、【牧場が好きでも、ミリタリーは苦手では?】【ミリタリーが好きでも、牧場は苦手では?】というところでミスマッチ。ターゲット層がめちゃくちゃニッチとは思っていまして。

私は両方好きで。牧場ゲームをしながら「事件がゆるい……」と思い、戦争ゲームをしながら「戦いばかりで疲れた……」と思うこともあるので、まぁこんなゲームがあっても良いよね!!という次第。

売ってないなら作るしか無い。

……何の話でしたっけ? そう、「気がついたらくっついてた」んであって、くっつけようとしたわけではないのです。そもそも生活と戦争は人類の歴史。

銃士とロボットが出てきた理由

というわけで、【牧場システム】と【守り損ねたらロストする → 修理】のシステムが搭載できた時点で作品としては完成です。

でもそれだと10分くらいで飽きちゃうし「なんで牧場でミリタリーやねん」が残るので、シナリオを乗せました。【銃士が牧場を守る】の要素ですね。

……後から考えれば、ここは別に、「銃士」じゃなくて「騎士」でも「魔法使い」でも良かったんでしょう。剣と魔法の世界観で「牧場を守る」をやっても良かったはずで、そっちの方がたぶん、ツクールの素材的にもプレイヤー層的にも制作楽だったんじゃないかな~……と今振り返って思います。

が、発案の時点で「牛を銃弾から守る」が頭にあったので、剣も魔法も一切アイデアには上らず……。(このあたりはキッカケになったツバスさんとの会話からの連想で、「私が牧場運営シミュレーション作るなら、牛を銃弾から守るゲームになるだろうなぁ」が出発点です)

銃弾ありきで考えているので、敵も「銃弾を撃って来る敵」→ 「武装した人間か、それに近い物」から来ています。人間の死体がゴロゴロ転がってる牧場は心理的に嫌だったので、メインの襲撃者は人間じゃなくロボット兵にしました。【VS ロボット兵】の世界観の登場です。
後から言えば何とでも……ですが、剣と魔法の牧場ミリタリーなら、敵はスライムとかゴーレムとかでも良かったですね。

銃士が牧場を守らなければいけない理由付けとして、「護衛対象が牧場に居る」が入りました。

シナリオは膨れ上がる……

これで【銃士が王女を守りながら牧場で生活し、畑を穴だらけにされながら作物を育てる】が出来上がり。だいたい30分で終わるゲームのはずでした。「30分の短編だから、制作日数も容量も食うまい!」の軽い気持ちで男女選択型・パートナーもリバーシブルに。

「30分」はちょうど、最初の重要選択肢に入るまでのプレイ時間に相当します。つまり最初は、

【王族を迎えに来た主人公が、数日の牧場生活で生産者の気持ちを知り、あらためて自分の意思で「どちらも守りたい」を選択する】(+「最後は牧場で総決戦」で締め)

で完結のつもりだったわけです。

選択によって出てくるセリフ「この場所を、この日々を、自分の手で大切に」を作品の命題に、30分の極短編ゲームとしてはまぁまぁ綺麗な構成では?

が、終わらなかったわけですね。

上官が「否」を言いに飛んできて、謹慎処分になって、王女/王子も暗殺されかけて、ここから「銃士と王女/王子の牧場ストーリー」が複雑になっていきます。当初の予定からいろいろオーバー、私はナンデコウナッタ?と思いながら作り続けるターンに突入。

このあたりは話が脱線するので割愛します。

テーマの繰り返し

という感じで、「30分」の時点で作品テーマが1回出ています

そこからの物語は、「テーマに沿った選択をした主人公の行動」の結果として立ちふさがる障害と、本当にその選択は正しいのか?という反証、ですね。先に出た理想(テーマ)に対して【どうすればその理想が叶うか】を後追いで証明していくパートです。

証明の過程で、理想を一回破壊。全部守ろうとしたけど自分の手には余る事態、全部守れないなら取捨選択すればいい、の妥協案の提示。
30分の段階で出したテーマに対しての、それぞれの選択と結果を繰り返しシミュレーションしている感じです。

テーマに対して【一部叶ったけど、全部は叶わなかった】の否定関係にあるので、エンド5・エンド7もそこそこ綺麗な構成で終われます。たぶん。

障害を越えて、反証を否定して、改めて「この場所を、この日々を、自分の手で大切に」に帰結するための道筋が列車編~銃士の誓い編。プレイ数時間を経て同じところに戻って来るわけですね。

あらすじに直すと

【王族を迎えに来た主人公が、数ヶ月の牧場生活で人生の意義を知り、あらためて自分の意思で「全部守りたい」を選択する】(+「最後は牧場で総決戦」で締め)

の形。プレイ30分の時点での構図とほぼ一緒。

ただ、話題が広がった分、テーマ的に「牧場である意味」は薄まっています。その代わり、ストーリー上での「牧場の大切さ」はプレイ30分の頃よりも上がっています(たぶん)

力技で「牧場」をプッシュ

テーマに戻って来たところで物語は総決戦へ。作者は心の中で「なんで牧場やねん」と突っ込み入れながら戦いを用意。「なんで牧場やねん」を解消するために「食糧」とか「資金」とかの話題を出す。ここまでのプレイでプレイヤーさんも牧場に愛着が湧いているはず(希望的観測)なので勢いで乗り切る算段。

「今この国で1番安全なのは牧場だ!」

「この辺境で1番防備が厚いのが牧場!」

「残りは牧場で仕留める!」

作者脳内は突っ込みの嵐。なんで牧場でミリタリーやねん。

この記事の最初の方で言っていたように、騎士でも剣と魔法でも良かったんです。「生活」を戦争の対比に置くならお店経営シミュレーションでも良かったんです。でも作品は牧場だったし、キャラクター達が愛したのもプレイヤーが頑張ってきて下さったのも牧場なんです。

その「牧場」は大切にしたくて、「牧場で過ごした時間の総決算」をラストバトルに据えました。牧場を大切に日々を過ごして下さってありがとうございます、プレイヤーさん!

なんか良い感じ(?)に、牧場で始まって牧場のまま突っ走ったハナシ。物語もキャラクターの人生も続くけど「牧場」だけでの展開ではなくなるのでそこで〆。


おまけ

作品のメインテーマから見れば、マーシェと父親の技の話は完全に蛇足……です。

人物背景の掘り下げと、最後のもう一盛り上がりの要素として、隠し差分という形で入れました。無ければ無いでテーマ的にはスッキリするので、発生条件を厳しめにして「普通に遊んだだけでは見つかりにくい状態」にしました。
(「あのサブイベント何だったんだろう?」と違和感は残ると思いますが……)

マーシェとXXXXX(酔っ払い)の関係、マーシェと上官(少佐)の関係、敵味方あれどどちらも「年上の男性」で父性的な影響力を持っています。彼ら2人と父親の影に並び、いずれ追い越すことで、見える世界が変わる…かもしれない。そんな主人公の成長伸び代に。

……という感じです!

まぁ~~~無計画に無計画を重ねて作った作品でした。

需要ニッチでコンセプトも迷子ではありますが、1本通して「テーマ」と「好き要素」をこれでもかと詰め込めたので結果オーライであります。自作万歳!!

まさかの前日譚も生まれ、続編もできればいいなぁ……という作者です(´▽`)

雑記なのでオチは特に無いです!以上!

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